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喫水はまだ甘くまだ浅くある

津崎のメモ帳です。絵ログ、お知らせ、日常など。

2024年4月14日 この範囲を時系列順で読む

お元気ですか。お手紙、丁寧に有難う。「創作の対象が背景に歴史の文脈を付帯させている時に、加害への直視と批判意識こそが重要である」とのお言葉を頂戴しました。「愛情とは直視であり瞠目でも眩しさにくらむ盲目でもない」ことを弁えるべきであり、時間という私達の特権が対象と距離を生んでいることを有難く享受するのが、いちばん誠実な方法かもしれません。

2024年4月13日 この範囲を時系列順で読む

歴史家を悩ませるのは、私達が叙述の対象としている人物が幽霊のように帰ってきて、書いたものに対して感想を述べること/彼らからすれば私達は抑圧者であり拷問者、死刑執行人である/彼らからすれば私達が若造だという事実が傷を負わせる上に侮辱されている/この問題は避ける術は無い/歴史は地図の作成と同じく事実の"描写"とはならない/事実そのものではなく少しそれに近づいているだけ/当人からすれば奇妙なものだ

/しかし時間が経つと私達の描写は、彼らがその中で生きていた出来事の記憶と競合し、入り込み、取って代わる/という意味で事実に"なる"/歴史的知識は出来事に加わった人の知識を沈める/歴史家は過去に対して、効果的に、息苦しいほど自己を押し付ける/過去を読みやすくし、過去を解放されない牢獄へ閉じこめる/歴史家に悪意はない/これは誰もが記憶に対し行うから、実際の記憶が過去の描写への飲まれていく経験がある/逸話は繰り返され磨かれる、一枚の写真が時間・場所・人物を思い出す全てとなる/過去そのものとなる

それは暗い面だが唯一の面ではない/抑圧と同時に歴史家は過去を解放する/過去を伝える人、読みやすくする人、再生する人を求めているから/歴史を作った人は歴史を記録する人が己を好意的に扱うという希望を持つ/彼らを忘却から救い出す

『歴史の風景』個人的ハイライト

感想

2024年4月12日 この範囲を時系列順で読む

コミティア、セーフでした。出ます。有難い……。

2024年4月11日 この範囲を時系列順で読む

もう少しコンスタントに本を読んでいかないと……

2024年4月10日 この範囲を時系列順で読む

2024年4月9日 この範囲を時系列順で読む

今回のコミティア応募数、すごいですね
「そろそろ当落出るなあ…落選は書類不備だけかなw」とか舐めながらメールを確認して、意識が飛びそうになりました
「今回は4500サークルの募集に対し、5100弱の申込をいただきました」とのことです どうすんだ…

歴史の絵画修復、という気持ちはある
視覚的な美術の再構成
そして、修復であって実際に存在した歴史ではないという事実も自省し…

2024年4月8日 この範囲を時系列順で読む

2024年4月7日 この範囲を時系列順で読む

描いてます 「大脱走」の番外編の2話目です 1話目は完成していませんが、どちらも単話なので問題はないです

2024年4月2日 この範囲を時系列順で読む

 アンドリッチ(先日の『ドリナの橋』作者です)の橋に対する感覚、船に対しても一部通じると感じている
  陸を陸を結ぶということ
 と思いつつも、アンドリッチは橋というものについて「だれのものでもあり、だれに対しても平等で、役に立ち、人間の必要がいちばん多く交錯する場所に、常によく考えて造られており、他の建造物よりも堅牢で、秘密のことや悪しきことには使われない」と言っている 私はふねに対してそこまで楽観的にはなれない
 エッセイ「橋」にある「われわれの希望はすべて彼岸にある」なんて、『艤装の美』に載っている「船――現在を生きる者たちの世界」を連想とさせないか?素敵だ
    海上を旅する船は出発した港を過去として置き去りにし、目的港を未来として予定しながらも現在を洋上の《点》として航海している、したがって現在を共に生きる者の一つの疑似的な共同体もしくは社会を構成しながら航行している、と考えることができる……という指摘があります(「船」)

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