喫水はまだ甘くまだ浅くある

津崎のメモ帳です。兼ログ置き場(新しめの作品はここに掲載してあります)。

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『HHhH』に、歴史小説を書いていると、歴史上の人物はこんな口調でいろんな物事を考えているのか疑問に思う、とフローベルが書簡で書いている、的な記述があるけど、改めて啓発的ではある

文章・雑記

▼言わないようにしてたけど、「大脱走」に欠落気味なのはいわゆる森崎和江が言うところの「アジアの民衆」なんだよね まあ「大脱走」でも完全に無ではないんだけど…
▼「からゆきさんが運ばれた」が「大脱走」なら、「運ばれたからゆきさんが茶碗一杯の米を現地で現地人と奪い合っていた」が「渺渺録」かな…
▼石炭というものにもう少し聡くあらねば、船の創作だから
▼たとえば商船三井の源流の一つ、三井船舶は、三井の売却する石炭を運ぶ船舶部の流れをくんでおり、そこには運ばれる石炭とともにからゆきさんが多く乗っていた、彼女らは無視できないほどの資金を外国から祖国へ送り、その金は帝国を潤し軍拡へと結びつけられた、また彼女らは大陸浪人やアジアで活動する男たちのよき共犯であったし、彼女らの同胞への無邪気な「優しさ」、親しみこそが侵略行為であった、石炭を取る炭鉱では強制的な労働が強いられてチョーセンに舐められるなと朝鮮人に互いにビンタをはらさせ、彼は炭鉱から逃走(ケツワリ)し大阪へと逃げるであろう、そんな悲惨な彼はかつて半島のタコ部屋にあった売春屋でからゆきさんに苛烈に当たっていた、彼女は「日の丸」だったから
▼またその制度の果てにあったのがアジア・太平洋戦争であり、そこでは三井船舶の船が徴用された
▼そこにいたった時の感慨として「華やかな客船文化を覚えている」のだが、しかし…となる。まあそれは郵船さんのセリフだけど。
#「大脱走」(企業擬人化) #「渺渺録」(企業擬人化)

文章・雑記,企業・組織擬人化