若くして逝く彼の人持つ可能性多く留めて我らは老いき
*info#感想返歌 『中井久夫集 10 『認知症に手さぐりで接近する――2007-2009』』*hide

されど愛されど憎しみ深くしてあのふね想う艦の情動
*info#傾艦短歌 *hide

「いつか貨客船に戻るのよ」と嘯く彼女は敗戦に泣く
*info#傾艦短歌 *hide

孤独こそ僕が求めていたもので僕に貴方は必要がない
*info#傾艦短歌 *hide

轟々と鳴り響く音荒鷲が狂飆を征けば勝利が其処に
*info#傾艦短歌 *hide

誉ある大和の名を唯頂きて我は祖国と共に沈めり
*info#傾艦短歌 *hide

うつくしき吾が妹の吐く言葉呪詛となりては我が心刺し
*info#傾艦短歌 霧島→榛名*hide

船は海を往くことが幸せ、私たちそう考えても海なお深く
愚かなることと知れども我往けり我は染まれり海なお深く
「ヒ船団」名乗り想うは美しきシアトル航路、海なお深く
船底の様に濁りし眼して「綺麗な海ね」（海、なお深く）
波強く、押して引けば底なしの、海底深く、海なお深く
*info#傾艦短歌 「海なお深く」*hide

大方の艦は道具を自負しをり惜しいと思う我が心あり
*info#傾艦短歌 *hide

浅海のように涼しい眼して東から日は昇ると信じ
*info#傾艦短歌 三笠*hide