船(むすめ)とはひとつの小さな花束さかい阪急居はるいとさんに似とる
海と海、橋で渡れば訳ないわ、嘯く会社の夢の肥後橋
南米はどんなとこでっしゃろ（解(ほど)けるやろか、国のさだめもお里ことばも）
いとさんによう似て違(ちご)う二番船、新し顔した可愛いこいさん
せや、商売は生き様やったわ（造ること売ること載せること運ぶこと）
*info#ひと生短歌 大阪商船*hide

先代の艦のお触れを頂いて海には美(は)しく浮くこと誓う
*info#傾艦短歌 *hide

群青も深まれば黒（夜に往く海に無数の敵潜がいる）
*info#傾艦短歌 *hide

戦闘詳報汚泥の流れ赤血潮寄せては引く波濡れる我が身は
*info#傾艦短歌*hide

海だった（船台離れ浮かびゆく我を愛しく抱いたものは）
*info#傾艦短歌 進水*hide

風船も船のうちならたとえ鉄成れど吾は船、永遠の船
*info#傾艦短歌 ロイヤルウイングさんありがとうございました*hide

人生は美しいから人真似が上手い我らの劇の緞帳
*info#ひと生短歌 *hide

はらわたは鐵の味腹黒はどう海浮きても悔恨の今
目障りな顔は南瓜と思いつつ古さと場数は海ではおなじ
二引く線それを戴くことはなし（今は今なり）もしもは苦し

*info#傾艦短歌 飛鷹
（二首目は飛鷹→隼鷹←龍驤前提の飛鷹から龍驤への短歌）*hide

進みなさいまた誇らしくありなさい我が瞳を継ぐうつくしき船
*info#ひと生短歌 日本郵船→舞子丸*hide

白皙の船は孤独を抱えつつ血糊と垢は濡れればおなじ
*info#傾艦短歌 病院船*hide