No.310
- 「大脱走」(企業擬人化)(20)
- 「渺渺録」(企業擬人化)(13)
- 「海にありて思うもの」(艦船擬人化)(13)
- 『マーダーボット・ダイアリー』(10)
- おふねニュース(8)
- 「蛇道の蛇」(一次創作)(8)
- 「空想傾星」(『マーダーボット・ダイアリー』)(6)
- 企業・組織(6)
- 実況:初読『天冥の標』(5)
- 「時代の横顔」(企業・組織擬人化)(5)
- 今読んでる(5)
- 感想『日本郵船戦時船史』(3)
- きになる(2)
- 『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』(2)
- 「『見果てぬ海 「越境」する船舶たちの文学』」(艦船擬人化)(2)
- 「人間たちのはなし」(艦船擬人化)(2)
- 『青春鉄道』(2)
- 読了(1)
- 「テクニカラー」/「白黒に濡れて」(艦船擬人化)(1)
- 「かれら深き波底より」(一次創作)(1)
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「田舎娘を想いうかべると、かならず葉を全身にまきつけたすがたであらわれたが、私にはその娘が土地の植物で、しかも他の種よりもはるかに上等で繊細な組成をしていて、私の土地を深い風味に近づけてくれるような気がした。私がこんなことをたやすく信じたのは(そのうえ娘が私に快楽を味わわせてくれる愛撫もまた特殊なもので、その快楽はその娘以外の女からは味わえないにちがいないと信じたのも)、私がなお長い期間とどまっていた年頃では、さまざまな女と快楽を味わったうえで女を所有する快楽とはどういうものなのかを抽象化するには至らず、その快楽を一般概念に還元し、それゆえいかなる女もつねに同一の快楽を与えてくれる交換可能な道具だと考えるには至らなかったからである。」
『失われた時を求めて1』341頁
素晴らしい一文だと単純に感じた。読みづらい、というか読了しづらいことで有名なこの物語だが、読みづらさというものがこのような冗長な文章にあるのだとしたら、私には案外気楽に読了できるのではなかろうか。御覧の通り冗長な文章を書くのが好みな人間なので。
抽象化~概念に還元…には至らず、あたりの巧みさは味わい深い。
読了するには決心がいるので、もう少ししたら読み進める、かもしれない。読めないならそれでもいい。