良い…と思ったらぜひ押してやってください(連打大歓迎)
カテゴリ「感想」に属する投稿[73件](2ページ目)
2024年12月9日 この範囲を時系列順で読む
2024年12月6日 この範囲を時系列順で読む
『文盲』読む 戦後アゴタ・クリストフはハンガリーからの難民としてオーストリアに行った時に、施設で男女別々に分けられてシャワーを浴びせられることが怖かったし、シャワーが終わって清潔になって全員集合して安堵したと回顧している 歴史だ
国はオカルトに対抗する部署をどこに置くのだろうか、という投稿が流れて来たのを見たけど 『低俗霊DAYDREAM』で「口寄せ屋」のヒロインは「東京都生活対策課」から仕事を請け負っていて、また課では「忌物苦情相談」ができる設定だった
堀越二郎の醜い飛行戦艦、下級生を苛める不良の上級生、多くの三等車客、震災の炎と暴力的風景、旧式の校舎、美しい骨を持たない肉豆腐、寝台車に乗れなかった貧民の野宿生活、銀行の取り付けのある不景気、会社のみみっちい礼儀に礼節、新人への洗礼、牛が航空機を運ぶ後進性、航空機を見に来た陸軍軍人、機が本調子でないこと、落下傘で辛くも逃げ出したパイロットの命の無事、既に壊れた1号機の残骸、夜親を待つ少女と子どもと国家の貧しさ、食わせられたはずの天丼とシベリアという善性、本庄の独逸での劣等感、かつて菜緒子でなくお絹の幻影を見たという事実、カストルプの示唆する世界の破裂、新聞に書かれた上海事変、日本が本当に近代国家だったのか、結核で倒れた菜緒子の苦、重役、煩い海軍軍人、愛情ではなくエゴイズムではないかという黒川の指摘、妹の叱咤、重慶爆撃、全体を覆う死と死体と多くの犠牲を見ることからの逃走があり、それは菜緒子が二郎の眼鏡を外して「山に帰る」ところ、美しいところだけ見てもらいたかったことで愈々極まる
→また1機も帰って来なかったのでありやはりそこには人間の生はないように思える
→とはいえ二郎は最後の航空機の成功(航空機の技能的にも、国家や軍の期待に応えた面でも)を直視しておらず、遠くで何かの気配を感じてそれを見ている、おそらく菜緒子の死を見つめている
(映画「風立ちぬ」)
→また1機も帰って来なかったのでありやはりそこには人間の生はないように思える
→とはいえ二郎は最後の航空機の成功(航空機の技能的にも、国家や軍の期待に応えた面でも)を直視しておらず、遠くで何かの気配を感じてそれを見ている、おそらく菜緒子の死を見つめている
(映画「風立ちぬ」)
2024年10月10日 この範囲を時系列順で読む
#感想『日本郵船戦時船史』
◎盛岡丸は、船のなかで密航者(炭坑夫)を捕まえたために引き返している途中で日本の敷設機雷に掛かって沈没、という船。密航者のその後も気になる。
◎甲谷陀丸はカルカッタまると読む。
2024年10月10日「甲谷陀丸」まで/コマ番号49/519まで
#「渺渺録」(企業擬人化)
◎盛岡丸は、船のなかで密航者(炭坑夫)を捕まえたために引き返している途中で日本の敷設機雷に掛かって沈没、という船。密航者のその後も気になる。
◎甲谷陀丸はカルカッタまると読む。
2024年10月10日「甲谷陀丸」まで/コマ番号49/519まで
#「渺渺録」(企業擬人化)
2024年10月6日 この範囲を時系列順で読む
森崎和江は炭鉱の人間のよく言う「地獄」について言及しているけど、あの時代の半強制半奴隷じみた仕事につきもので、彼らが自らを言い表すワードとしての「地獄」があったのかーと興味深くなる あと遊女か
その意味で結核も炭鉱も遊郭もどんどん現在から去っていく中で、あの「地獄」という言葉をどうやって地続きにするのだろう
たぶん「蟹工船」の言う地獄は遊女や坑夫が自らの状況を指していう特定の共通の認識としてある「地獄」であって、天国や楽な状態や極楽の対義語としてのなんとなくの、現代の意味においての地獄ではない
ということを考えると、彼らが言う文脈での「地獄」を踏襲できないならいっそなくしてしまうのもアリかもしれない。今に言う「地獄」は天国や楽な状態や極楽の対義語でしかなくなっているのが現状なので。
その意味で結核も炭鉱も遊郭もどんどん現在から去っていく中で、あの「地獄」という言葉をどうやって地続きにするのだろう
たぶん「蟹工船」の言う地獄は遊女や坑夫が自らの状況を指していう特定の共通の認識としてある「地獄」であって、天国や楽な状態や極楽の対義語としてのなんとなくの、現代の意味においての地獄ではない
ということを考えると、彼らが言う文脈での「地獄」を踏襲できないならいっそなくしてしまうのもアリかもしれない。今に言う「地獄」は天国や楽な状態や極楽の対義語でしかなくなっているのが現状なので。
2024年10月5日 この範囲を時系列順で読む
ペリヘリオン号、名前が発覚するの遅すぎるし(初回「人工的なあり方」で出てこない)そこが良い
「ペリヘリオン」は人間が与えた名前であってマーダーボットには関係が無いので
#『マーダーボット・ダイアリー』
「ペリヘリオン」は人間が与えた名前であってマーダーボットには関係が無いので
#『マーダーボット・ダイアリー』
情報によるとマーダーボットの世界には木星があるらしく、つまり太陽系が存在しており、この現実世界と地続きで架空の世界線じゃないということだし、ペリヘリオンは確実に近日点の名を冠しており「異世界サンドイッチ」ではなくて、ARTとあの世界の人々にとって太陽はどのような価値があるのか気になる
あの世界に太陽が存在しなかったら、いわゆるペリヘリオンは異世界サンドイッチ問題のサンドイッチになってしまうな…とは悩んでいた 勝手に…
木星、は本邦未翻訳の短編に出てくる……らしい、Wikipediaに書いてあるらしいけどしっかり調べられていない
#『マーダーボット・ダイアリー』
あの世界に太陽が存在しなかったら、いわゆるペリヘリオンは異世界サンドイッチ問題のサンドイッチになってしまうな…とは悩んでいた 勝手に…
木星、は本邦未翻訳の短編に出てくる……らしい、Wikipediaに書いてあるらしいけどしっかり調べられていない
#『マーダーボット・ダイアリー』
もしかしたら『終戦のローレライ』に感じる、日本海軍に詳しいだろうし当時の情勢にも詳しいのだろうがどこか「現代」が抜けない、というのは言葉があまりに格調高いからなのかも、現代の美的に鑑みて
もう少し文章に「土着」さがあったら良かったのかも、モダンなので……(あくまで私にとっては、の話です)
もう少し文章に「土着」さがあったら良かったのかも、モダンなので……(あくまで私にとっては、の話です)
『椿の海の記』を読んでるけど、石牟礼道子のえがく風景のようなものを表現するにはやはり石牟礼道子のような言葉を叩きつけて手繰り寄せるような言葉遣いしかないのではないか、いわゆる詩情の言葉といわれるような……と思わされる
淫売のなんのにゃ売られけん幸せぞ(娼家に売られないからお前は幸福だ)とか、精神を病んだ祖母との交わりとか、規定通りのですます調の標準語では……と思うけど、でもそれは「地方語」に対して地方性を与えてることになるか
ある世界というか風景を切り取る時に、使う言葉、言葉の使い方にも気を配る必要があるのかな……と今更
電灯がなくて電車が通ってなくて貧しかったら売られて……の時代を現代の言葉で、ですます調でカッチリ表現しても、そこに表現しきれない余白があるのかな、とか考えていた
淫売のなんのにゃ売られけん幸せぞ(娼家に売られないからお前は幸福だ)とか、精神を病んだ祖母との交わりとか、規定通りのですます調の標準語では……と思うけど、でもそれは「地方語」に対して地方性を与えてることになるか
ある世界というか風景を切り取る時に、使う言葉、言葉の使い方にも気を配る必要があるのかな……と今更
電灯がなくて電車が通ってなくて貧しかったら売られて……の時代を現代の言葉で、ですます調でカッチリ表現しても、そこに表現しきれない余白があるのかな、とか考えていた
2024年9月24日 この範囲を時系列順で読む
#感想『日本郵船戦時船史』
◎第二船は香取丸。ここから太平洋戦争期となる。基本全ての船に「徴用種別」欄があるのでわかりやすく便利(香取丸は「陸軍期間傭船」)。また「護衛艦艇」「僚船」欄もある……(さいごがひとりなのはさみしい)
◎「暮れ近い夕日は瀬戸の海を美しい朱に染めて、この海の続く果てに香取丸が撃沈させられた血なまぐさい戦争が起こっているとは思えないような美しさであった。」(24/519)
◎救助してくれた駆逐艦吹雪や沈没後の司令部の乗組員への対応…緒戦当事にあった陸海軍と商船側との温かい交流を永く忘れることができない、戦争末期にあったようなとげとげしい対立はまったくなく、心から商船隊の苦労に感謝していたようだった、との機関長の証言。勝ち戦ゆえに軍部にも余裕があったのだろう、という指摘がある。
2024年9月24日「秋田丸」まで・コマ番号30/519
短め
#「渺渺録」(企業擬人化)
◎第二船は香取丸。ここから太平洋戦争期となる。基本全ての船に「徴用種別」欄があるのでわかりやすく便利(香取丸は「陸軍期間傭船」)。また「護衛艦艇」「僚船」欄もある……(さいごがひとりなのはさみしい)
◎「暮れ近い夕日は瀬戸の海を美しい朱に染めて、この海の続く果てに香取丸が撃沈させられた血なまぐさい戦争が起こっているとは思えないような美しさであった。」(24/519)
◎救助してくれた駆逐艦吹雪や沈没後の司令部の乗組員への対応…緒戦当事にあった陸海軍と商船側との温かい交流を永く忘れることができない、戦争末期にあったようなとげとげしい対立はまったくなく、心から商船隊の苦労に感謝していたようだった、との機関長の証言。勝ち戦ゆえに軍部にも余裕があったのだろう、という指摘がある。
2024年9月24日「秋田丸」まで・コマ番号30/519
短め
#「渺渺録」(企業擬人化)
2024年9月23日 この範囲を時系列順で読む

(ツイート埋め込み処理中...)Twitterで見る
(Loading...)...
◎デジコレで『日本郵船戦時船史』読む。
圧倒的に読みやすい。紙の本は分厚く、稀少なので本に遠慮してしまう。
◎船を失ったが優秀な乗組員も失った、という記述。
◎発行時の社長は有吉義弥氏。
◎「三菱商事株式会社船舶部並びにその後身である三菱汽船株式会社の所有船も併せ記録されて居ります」。(コマ番号9/519)
◎三菱汽船株式会社も所有船の九割を喪失して乗組員も殉職したけど、船の大半が油槽船だったから遭難状況は一層壮絶だったと思うのよね、とさらっと書かれており……おり…(9/519)
◎「これ以上遅延することは資料散逸の恐れがある」ため、先に合併した三菱海運株式会社の前身である三菱汽船株式会社の所属船を含んで記録書の発行を計画、とある
◎「日本郵船二百三十七隻、三菱汽船四十八隻の他に日本郵船所属の小蒸汽船、機帆船などを加え、計二百八十二編に及び、戦没者は日本郵船四千百四十三人、三菱汽船四百八十七人、更に他社よりの派遣者、徴用による乗組員など、七十八人、計四千七百十七人」の記録(10/519)
◎第一船は照国丸。1930年の話。「日米開戦を前に欧州に勃発した第二次世界大戦の余禍を受けて沈没した」。
◎照国丸乗組員「遭難時殉職者なし」の記述、いまだ留めたる平時とその栄光、という感じ
2024年9月23日「照国丸」まで・コマ番号21/519
毎日必ず……と言わないが読み進めていきたいです。
#感想『日本郵船戦時船史』
#「渺渺録」(企業擬人化)
2024年9月5日 この範囲を時系列順で読む
2024年8月6日 この範囲を時系列順で読む
2024年8月5日 この範囲を時系列順で読む
『八本脚の蝶』を「若い」と批評している方を見て、思えば確かに二階堂奥歯先生の聖域ってあの時代特有の効力しかなくて、令和の今にあれがあったらどう評価されたのだろう?とは思ってしまった。頬をビンタされて、二階堂ワールドから少しだけ素に戻ってしまった。
私は好きだけど、確かに令和にある二階堂奥歯先生は想像がつかない気もする。
私は好きだけど、確かに令和にある二階堂奥歯先生は想像がつかない気もする。
ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』を久々に読んでいる。kindleで買えるのは有難い。
『おおきく振りかぶって』は「ゆくところ」(『家族のそれから』に収録。「高校生の同性愛をあつかい反響を呼んだ読み切り作品」とのこと。内容がなかなかシビア。無邪気にBL作品と呼ぶタイプのものではない)の延長線上にあると思っている。ひぐち先生の作品には特有のコンプレックスと人間の闇の描き方がある。そこに惹かれてしまう。
『おおきく振りかぶって』は「ゆくところ」(『家族のそれから』に収録。「高校生の同性愛をあつかい反響を呼んだ読み切り作品」とのこと。内容がなかなかシビア。無邪気にBL作品と呼ぶタイプのものではない)の延長線上にあると思っている。ひぐち先生の作品には特有のコンプレックスと人間の闇の描き方がある。そこに惹かれてしまう。
2024年5月5日 この範囲を時系列順で読む
『明治日本の産業革命遺産』読んでいます。
鉄、船、運ぶこと、石炭、炭鉱、働く人、行く人、来る人、その生業で世界が回っているということ……。みたいなものを企業擬人化で描けたら良いなとは……。
『阿姑とからゆきさん』もそろそろ読了しそうだ。読了したい。
鉄、船、運ぶこと、石炭、炭鉱、働く人、行く人、来る人、その生業で世界が回っているということ……。みたいなものを企業擬人化で描けたら良いなとは……。
『阿姑とからゆきさん』もそろそろ読了しそうだ。読了したい。
2024年4月13日 この範囲を時系列順で読む
歴史家を悩ませるのは、私達が叙述の対象としている人物が幽霊のように帰ってきて、書いたものに対して感想を述べること/彼らからすれば私達は抑圧者であり拷問者、死刑執行人である/彼らからすれば私達が若造だという事実が傷を負わせる上に侮辱されている/この問題は避ける術は無い/歴史は地図の作成と同じく事実の"描写"とはならない/事実そのものではなく少しそれに近づいているだけ/当人からすれば奇妙なものだ
/しかし時間が経つと私達の描写は、彼らがその中で生きていた出来事の記憶と競合し、入り込み、取って代わる/という意味で事実に"なる"/歴史的知識は出来事に加わった人の知識を沈める/歴史家は過去に対して、効果的に、息苦しいほど自己を押し付ける/過去を読みやすくし、過去を解放されない牢獄へ閉じこめる/歴史家に悪意はない/これは誰もが記憶に対し行うから、実際の記憶が過去の描写への飲まれていく経験がある/逸話は繰り返され磨かれる、一枚の写真が時間・場所・人物を思い出す全てとなる/過去そのものとなる
それは暗い面だが唯一の面ではない/抑圧と同時に歴史家は過去を解放する/過去を伝える人、読みやすくする人、再生する人を求めているから/歴史を作った人は歴史を記録する人が己を好意的に扱うという希望を持つ/彼らを忘却から救い出す
『歴史の風景』個人的ハイライト
/しかし時間が経つと私達の描写は、彼らがその中で生きていた出来事の記憶と競合し、入り込み、取って代わる/という意味で事実に"なる"/歴史的知識は出来事に加わった人の知識を沈める/歴史家は過去に対して、効果的に、息苦しいほど自己を押し付ける/過去を読みやすくし、過去を解放されない牢獄へ閉じこめる/歴史家に悪意はない/これは誰もが記憶に対し行うから、実際の記憶が過去の描写への飲まれていく経験がある/逸話は繰り返され磨かれる、一枚の写真が時間・場所・人物を思い出す全てとなる/過去そのものとなる
それは暗い面だが唯一の面ではない/抑圧と同時に歴史家は過去を解放する/過去を伝える人、読みやすくする人、再生する人を求めているから/歴史を作った人は歴史を記録する人が己を好意的に扱うという希望を持つ/彼らを忘却から救い出す
『歴史の風景』個人的ハイライト
2024年3月26日 この範囲を時系列順で読む
ところで(連想)『終戦のローレライ』は(著者の国家史観は別として)一つの物語としてうつくしかった 日本海軍の実直な歴史描写に挿入されるローレライ・システムという架空兵器のファンタジックさが、あるいは「馬鹿っぽさ」が危ういバランスで魅力と魔力を発揮しており、絶妙に世界はズレていて、ローレライ・システムはすなわちローレライであり少女であること、そのファンタジックさが、あるいは「馬鹿っぽさ」が…という再びの循環と混同、少女は兵器であり勝利だということ
あの時代のあの戦争中の男たちがみっともなく少女を(勝利の表象を)めぐって争っている、あまりに「馬鹿っぽい」フィクション性、が、潜水艦という人間の想像力に最も嬲られてきた船種を舞台とすることで、さらにファンタジー性が強化されるところ
表象としての少女と舞台装置としての船の提示の仕方が、鮮明でうつくしい
あの時代のあの戦争中の男たちがみっともなく少女を(勝利の表象を)めぐって争っている、あまりに「馬鹿っぽい」フィクション性、が、潜水艦という人間の想像力に最も嬲られてきた船種を舞台とすることで、さらにファンタジー性が強化されるところ
表象としての少女と舞台装置としての船の提示の仕方が、鮮明でうつくしい
『蒼穹のローレライ』(少々うろ覚えなのですが所感) 主人公の瞳が理由不明のまま青く、母親の不貞を疑られて幽閉され、父親にも邪見に扱われて、運よく外に出たとしても近所の人間は不気味がるし帰ったら母親が刃物をもって狂ったように探し回っている、そんなイエとムラで育っている彼が上手く逃れた先が日本海軍という今から見れば理不尽な組織社会にしか思えない、が当時では世界随一のテクノロジーの先端集団に行くことで相変わらず孤独でありつつも一種の救いがそこにあり(青い瞳は生物学的にいう先祖返りかもしれぬ、という同輩の明晰な回答は当時では日本海軍などでしか賜れない言葉だったろう)
2024年3月24日 この範囲を時系列順で読む
『映画の言葉を聞く』に掲載されている是枝監督の映画「誰も知らない」とレッドアロー号の話、は、ひとが乗り物に向けるただ単純な憧憬とどこまでも粘着質な心情を考えるときに、いつも思い出す。
…この映画の着想元の巣鴨での子ども置き去り事件を調べていたとき、事故で死んでしまった妹を秩父の山奥に埋めに行く際に兄がレッドアロー号に乗っていたことを知った。私が育った清瀬の駅にはレッドアロー号は停まらず、特急料金もかかるので乗れなかったけど、かっこよくて憧れの車両だった。亡くなった妹をトランクに入れてレッドアロー号に乗せて運んだという記事を読んで、なんとなく彼の気持ちがわかるような気がした。警察はそれを証拠隠滅のための死体遺棄として捉えたけど、私はそこに違和感を持った、そんなことのためにあの少年はこの列車に乗ったわけじゃないだろうと思った。…云々
一介の乗り物オタクの無邪気な消費的態度とかではなくて、相反するものと共にあるもの、拮抗と同一視、いろんなものが混ざってなにがなんだかわからない、そのような……渦巻く夢と業というものが共にあるように思えてならず……。
…この映画の着想元の巣鴨での子ども置き去り事件を調べていたとき、事故で死んでしまった妹を秩父の山奥に埋めに行く際に兄がレッドアロー号に乗っていたことを知った。私が育った清瀬の駅にはレッドアロー号は停まらず、特急料金もかかるので乗れなかったけど、かっこよくて憧れの車両だった。亡くなった妹をトランクに入れてレッドアロー号に乗せて運んだという記事を読んで、なんとなく彼の気持ちがわかるような気がした。警察はそれを証拠隠滅のための死体遺棄として捉えたけど、私はそこに違和感を持った、そんなことのためにあの少年はこの列車に乗ったわけじゃないだろうと思った。…云々
一介の乗り物オタクの無邪気な消費的態度とかではなくて、相反するものと共にあるもの、拮抗と同一視、いろんなものが混ざってなにがなんだかわからない、そのような……渦巻く夢と業というものが共にあるように思えてならず……。
2024年3月7日 この範囲を時系列順で読む
警備局の人々もそうだけど、MBに難色を示していた評議会(「ホーム」の冒頭に出てきた議員も含まれているはず)も意見を変えているのが「地味にあぶり出る背景」を感じるし、『マーダーボット・ダイアリー』には「地味にあぶり出る背景」が多すぎてそこが魅力的
『マーダーボット・ダイアリー』の「グラシンは『後発組』だ」発言の名称「後発組」は、「冷凍船の後発でやって来た」のではなく、プリザベーション連合の「如何なる存在も受容する」理念のもと、移民・移住民のことを「後発組」の名で呼んでいるのでは…
ラッティたちが先発、グラシンが後発なのではなくて、グラシンは純粋な移民なんじゃないか…と思っているのだがどうだろう 考えすぎか?
マーダーボットが考えているように「強化人間だから疎外感を感じている」のではなく、移民で、おそらく肌の色も(周りが有色人種な中で)明るめで、そこに引け目があるのではないか…MBに人種という考えが希薄なだけで 考えすぎか?
『マーダーボット・ダイアリー』の「グラシンは『後発組』だ」発言の名称「後発組」は、「冷凍船の後発でやって来た」のではなく、プリザベーション連合の「如何なる存在も受容する」理念のもと、移民・移住民のことを「後発組」の名で呼んでいるのでは…
ラッティたちが先発、グラシンが後発なのではなくて、グラシンは純粋な移民なんじゃないか…と思っているのだがどうだろう 考えすぎか?
マーダーボットが考えているように「強化人間だから疎外感を感じている」のではなく、移民で、おそらく肌の色も(周りが有色人種な中で)明るめで、そこに引け目があるのではないか…MBに人種という考えが希薄なだけで 考えすぎか?
教会堂は徴用され信徒たちも応召し、また九州や台湾に疎開し、牧師も疎開の引率者、徴用、戦火を避けて、軍に睨まれていることを知って犬死したくないと沖縄を去った、ある者は戦場に消え、ある者は土竜のような生活で生きのび、ある者はスパイ容疑で殺され、少なくない者が栄養失調やマラリアで死んだ。
戦争が終わった時には教会は跡形もなく、会堂は戦火で破壊され尽くされていたし、生きのびた信徒は他の生きのびた信徒の行方も知らなかった、強制疎開、徴用もあったから逃げることは悪ではなかった、にも関わらず、教会が下した「判断」とそこから起こった状況への対応に問題を感じる。
というのは、沖縄の教会の問題は他府県出身の牧師たちが引きあげたからだと考えていたが、その中には沖縄県出身の牧師もいた、また戦火で信徒が全滅したわけでもなかった、沖縄の教会は、迫りくる戦争と疎開政策の中で為された教職と信徒の「決意と行為」によって、自然消滅したのである。…
という意味合いの『国家を超えられなかった教会』の文章、ここまで冷静に挫折を語る文章はまたとない。
戦争が終わった時には教会は跡形もなく、会堂は戦火で破壊され尽くされていたし、生きのびた信徒は他の生きのびた信徒の行方も知らなかった、強制疎開、徴用もあったから逃げることは悪ではなかった、にも関わらず、教会が下した「判断」とそこから起こった状況への対応に問題を感じる。
というのは、沖縄の教会の問題は他府県出身の牧師たちが引きあげたからだと考えていたが、その中には沖縄県出身の牧師もいた、また戦火で信徒が全滅したわけでもなかった、沖縄の教会は、迫りくる戦争と疎開政策の中で為された教職と信徒の「決意と行為」によって、自然消滅したのである。…
という意味合いの『国家を超えられなかった教会』の文章、ここまで冷静に挫折を語る文章はまたとない。
- 「渺渺録」(企業擬人化)(55)
- 『マーダーボット・ダイアリー』(22)
- 「大脱走」(企業擬人化)(20)
- 実況:初読『天冥の標』(16)
- 「海にありて思うもの」(艦船擬人化)(13)
- おふねニュース(10)
- 読んでる(8)
- 「蛇道の蛇」(一次創作)(8)
- 「時代の横顔」(企業・組織擬人化)(6)
- 「空想傾星」(『マーダーボット・ダイアリー』)(6)
- 企業・組織(6)
- きになる(3)
- 感想『日本郵船戦時船史』(3)
- 読了(2)
- 『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』(2)
- 「『見果てぬ海 「越境」する船舶たちの文学』」(艦船擬人化)(2)
- 「人間たちのはなし」(艦船擬人化)(2)
- 『青春鉄道』(2)
- 御注文(1)
- 入手(1)
- 「テクニカラー」/「白黒に濡れて」(艦船擬人化)(1)
- 「かれら深き波底より」(一次創作)(1)
このシーンを読んで、思わず快哉を叫んでしまった。
この罪深さ、この製鉄所の造った鉄が如何なるものを他人に、あるいは自分たちに招いたのか。その鉄が自分たちに戦争を招き、死を招き、また利益を齎したのではないか、そんな(屁)理屈的なものを超越して描かれる、「圧倒的なもの」。それへの少女の拙い賛美。この理屈なしの力というものが、製鉄や炭鉱の世界にはあったのではないか。製鉄の世界にあった「神様」という言葉と、炭鉱の世界にあった「地獄」という言葉はここから発しているはずなのだ。
#企業・組織