- FA『マーダーボット・ダイアリー』(9)
- おやしお(初代)(6)
- 艦船擬人化「ぼくの小さな神さま」(5)
- ペリヘリオン号(5)
- マーダーボット(5)
- こくりゅう(4)
- なるしお(3)
- シーフレンド7(3)
- 愛国丸(3)
- 氷川丸(3)
- ずいりゅう(3)
- ミンゴ/くろしお(初代)(2)
- くろしお(初代)(2)
- そうりゅう(2)
- 共同運輸会社(1)
- 郵便汽船三菱会社(1)
- ワフー(1)
- おおしお(1)
- ちはや(初代)(1)
- FA「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」(1)
- 日本郵船(1)
- 新田丸/冲鷹(1)
- 春日丸/大鷹(1)
- 橘丸(1)
- グラシン(1)
- 護国丸(1)
- 報国丸(1)
- エンタープライズ(1)
- ぶら志る丸/ぶらじる丸(1)
- アイリス(1)
- 平安丸(1)
- 高雄(1)
- うんりゅう(1)
- くろしお(2代目)(1)
- 浅間丸(1)
No.28
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血と、泥と、波間に被る生臭い潮水と、腐肉の饐えたにおい。美しいワルツを踊った脚で千切れかけた人の手足を跨ぎ、血の海に滑りながらナチュラルターン、一瞬止まってアン、ドゥ、トロワ。リバースターン、小休止、小休止。半歩進んで足が留まる、小休止。小休止。小休止。休みたい。休んでいたい。一生休んでいたい、ほんとうは一生休んでいたいもうこんなところにいたくない、なにも感じずにいたいなにも感じていたくないすべて終わらせたい。でもなにも感じなくなるそれまで走らねばならない、すべて終わるまで進まなければならない僕はこの舞台を降りることはできない、僕はこの病院船を降りることなどできないここで止まったらしゃがみ込んだら諦めたら一生立てなくなる進めなくなる、また再びなるであろうなるに決まっているであろう麗しい貨客船に僕は戻れなくなる。そう己を奮い立たせて一歩おおきく脚を滑らせ、白い太陽の陽が射しこむプロムナード・デッキを狂ったように駆け回る。
#氷川丸