浅間丸
人間のように笑いて人ならぬことを自分で憐れむときに
 新田丸
 強くあることは犯されぬこと我が「領土」固持し犯すは彼らの領域
 八幡丸
感傷も情熱もなく潔く艀のように静止する我
 春日丸
得ることのなき栄光を胸に秘めただ粛々と波を切るとき
 報国丸
選ばれし者と思う屠られるよりも屠るを幸福として
 愛国丸
愚直であることは素晴らしきこと逡巡も悔いも全てを亡きものとして
 護国丸
うつくしき我を見よ我この姿誇りに思い艦の世をゆく
 あるぜんちな丸
一輪の花を野端に見つけゆく海でも同じ世は変わりなく
 氷川丸
忘れたい忘れたくない逡巡が飽和に至る淡き現在
#傾艦短歌 「幸福について」*hide

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