敗北も勝利も何も俺たちを変えることなどできるはずなく
#傾艦短歌 重巡洋艦高雄
「戦争そのものがわたしたちの道具としての存在意義です。政治は人間が考えることであって、わたしたちが考えることは自分の放った弾が魚雷が爆雷が、ちゃんとあたるかどうかだけ。言ってしまえば戦局ですらそうです。マレー作戦の勝利もミッドウェー作戦の敗北もわたしたちには関係ない。勝利も敗北もわたしたちの存在意義は変えられない。魚雷が刺さる、沈んだらそれで終わり、沈まなかったら次の戦場まで己を温存するまでです。次の海戦で敵の艦に砲弾を浴びせるだけのこと。艦艇であること。いくさぶねであるということはそういうことであって、愛だとか恋だとか、悲しいだの悔しいだのなんだの、そんな人間の真似事みたいなものは変わり者のやることでした。少なくともわたしはそう思っています。」*hide
幸福を語り続ける不幸艦「もしも私が人間だとして、」
#傾艦短歌 翔鶴*hide
果てのなき太平洋の向こうにはふねたちだけの楽園あるらし
#傾艦短歌 *hide
艦隊の征く果て淡き蜃気楼冬に始まり夏に終わるか
#傾艦短歌 *hide
戦場で硝煙吸えば思い出す金鵄の味を、火気は厳禁
#傾艦短歌 *hide
碧々と夜空明ければ黎明の光まばゆい両目に染みる
#傾艦短歌 *hide
軍艦が一隻沈んでいったので人間みたいに花で弔う
#傾艦短歌 *hide
「嗚呼あのひとも一人の人間だった」人間、と艦を呼ぶことおかしく思い
#傾艦短歌 *hide
人の死をレンズ通して見送れば、灼熱の海(わたし、の、雷撃)
#傾艦短歌 *hide
讃美歌を歌いながらも生きること強く願うは軍艦たる故
#傾艦短歌 *hide

category

backnumber