架空反戦記

津崎の短歌・俳句・SS置き場

2021年11月 この範囲を時系列順で読む

「護衛艦」その名を持ちつ戦闘機載せて秋空果ては遥けし
(ヘリ空母だったはずだがヘリじゃないものらも載せる)甲板広く
発艦す固定翼機はうつくしき放物線を描いてはゆく

#短歌 航空母艦「いずも」
吃音の男は足を引き摺りてБеоградよりBerlinへ行く
花嫁の幸福は常にそこにあり二十年で失くしたものが
戦争がなかったらする事、一つしかない(詩人の墓に花手向く)

#二次創作短歌 『アンダーグラウンド』
БеоградよりBerlinへ=「ベオグラードよりベルリンへ」
日本史の本の帯の紹介に書かれる次巻「2.朝鮮史」
大空に贈られる富も贈られる死も指し示すサン=テグジュペリ
永遠の八月が来てわたしたち戦争語ればふたたびの業
想像の上だけの死を読み進め感極まったり底冷えしたり
「美しい」という言葉はうつくしいものなのだろうか海は灰濃く
航空機、戦車、毒ガス、機関銃。昨日の世界と死なば諸共。 #短歌
神はいる神様はいる暁の宇品の港に神様はいる
知らずをり陸軍の乗る船たちのその元々の由来の元を
「陸軍です」「海軍ですか船に乗る」「いや陸軍です、船舶兵です」
船舶は宇品の延長 理論とか作戦語ればむなしく沈み
ヒコチンの電信受ければ末路あり淡路山丸暁に照る
デリックに花輪を飾れば鬼怒川の流れも遠し船の亡骸
船舶は国土の延長 復員の手足となれば 奔走の宇品

#二次創作短歌 『暁の宇品』
「過ぎた過去」「思い出」「亡き友」「裂かれた恋」人間を殺すは記憶の重み #短歌
Gホイホイ楽しく工作、箱作る(お前の命は必ず奪う) #短歌
狙撃手が睨みをれば敵は的、射程外なら我らこそ的
獲物待つ時は長かりて冬 泥濘みに浸かりて伏せば永遠なりき
敵を撃つ時が来れば勝利なり頭が早く吹き飛べば吉

#短歌
ロイター通信「雪だるま爆破して夏を占う、スイス伝統の春祭り 頭が早く吹き飛べば吉」
→どなたかの「朝見たこのニュースの『頭が早く吹き飛べば吉』が万能下の句だと気付いてしまい、そればかり考える有意義な一日を過ごした」というツイートを見たときに詠んだもの
美、即ち、残忍なもの。鮮やかで、切り口鋭き刀如くに。
から山に富士山麓の櫻植え見惚れるさまよこの美しさ
口ずさむ本五冊分の題名はやまと言葉のうるわしき音

#二次創作短歌 パク・チャヌク『お嬢さん』
(「から山に桜を植ゑてから人にやまと男子の歌うたはせむ」)
肉を食う笑顔のお前を見て思う(良い友を持ち幸せなのだ)と
大輪の笑顔を見ると元気出る、肉を食べればなおその気増し
「お前食え」余る肉指し譲る俺 遠慮のかたまり、遠慮するなよ
「いやいいよ、食えよすきだろ?だってこれお前のおごりで食べてるんだし…」
人の汗、他人の苦労ゆえに美味 他人の金で食べる焼肉

#短歌
「「他人の金で食べる焼肉」ってめっちゃいい下の句じゃん!」みたいなツイートに接したときのものだったはず。
「好きにした、君らも好きにしろ」と書き虚しく項垂れ海を揺蕩う

#二次創作短歌 『シン・ゴジラ』
人間の線路は人の王国の証であって統治の証
京急が飛ぶこと財が飛ぶことと同じ重みの侵略の音
ダァ シエリイェスと揶揄をした日々懐かしく鉄路は火の海道果て遠く

#二次創作短歌 『シン・ゴジラ』
雪荒ぶ死に魅入られた人びとの声を包むペルーラホワイト

#二次創作短歌 『死に魅入られた人びと』

メモ:

「短歌の限界もむなしさも承知の上でこの詩型式に執着するのは、私の場合その時々の自分を再現するのにこれ程手頃な容器は無かつたし、束縛された不自由の中で自由であることが私の生のスタイルに一致したからに外ならぬ」『美しき独断』「不幸の確信」
「歌人は暗さを、苦しさを、崩壊を好まない。日本の底辺にいながら自らの土壌が何で成立しているのか見ようとしない。とらへようとするのは架空の小市民的団らんと、それをもって芸術的であるとする理科教室の陳列棚の中の雲母のようなうすい幻想と、永久に民衆の生活に根づくことない中間的サロン性への憧憬にみちみちている」「短歌と私」※石牟礼道子初期未発表作品より
「最初はちゃんと定型で書こうとしていたんですけど、どうしても気持ち悪くなってしまって……。五七五にするために削っていたものが捨てきれず、結局自分の書きたい言葉を優先させてしまいました」「自分が五七五七七を守って書こうとしても、文字数を頑張って合わせただけの「詩」になってしまうという感覚が、すごくあります」『ユリイカ 特集・あたらしい短歌、ここにあります』穂村弘・最果タヒ「ささやかな人生と不自由なことば」 ※左記は詩人・最果タヒの言葉


津崎:艦船擬人化の人。twitter@samishira

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