轟沈す軍艦に寄すいけにえの如く乗員生存者なし
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己が為帽深々と被りをり長い髪は地位ある証
*info#傾艦短歌 女性艦霊*hide

滲み出る悪意を笑みで押し殺し唇を噛めば鉄(くろがね)の味
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「「鉄の味」がする鉄粉入りアイス発売」ニュースに接して*hide

我の名は特設巡洋艦「愛国丸」屠られるより屠るを幸福として
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菊が咲く艦首を南に向け征けばサンフランシスコ航路は遠く
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ばんざいばんざいたからかなこえにまぎれるわれの情動
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我々に「君死にたまふこと勿れ」そう言う人間(ひと)がいるはずもなく
親は刃を握らせて「全速前進、向かうは敵の艦隊あまた」
美しく人を殺して死ねよとて沈むことこそ使命なれとて
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船舶は国土の延長　赤紙が人間に届けば船にも届き
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同名の代艦想えば愛おしくまた妬ましく我不在の海に
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三十年目の進水日よ波の冷たさに余命を感じ
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