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テレサ・ハッキョン・チャ『ディクテ 韓国系アメリカ人女性アーティストによる自伝的エクリチュール』
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#日本史 #日本近代史 #朝鮮/韓国・北朝鮮 #日本語 #帝国/植民地
日本の満洲侵略に遭った母をもち、韓国軍政を逃れアメリカへ。パリ留学を経てニューヨークで暴漢に殺される―植民地以後、母国語を奪われた女性が、複数の言語と図像を往還し、自らの生と現代世界史を一冊に凝縮した究極の実験的テクスト。アメリカにおけるポストコロニアル、多文化主義、ジェンダー研究の必読書。

 個人的な「成功体験」の話から始めます。日本の古本屋で「探求本」としてこの本を登録しておりました。「どうせ来ないし、見つかっても4万円とかなんだろな~。まあ出品が出てるのを眺めるだけで面白いし登録しとくか……」みたいな気持ちで登録していました(まるで探求してない)。
 そしたらある日、日本の古本屋から「2000円で出品しはじめたよ~ん」とのメールが来ました。5度見くらいしてしまった。本の元々の定価が2000円じゃなくて…?心臓をバクバクさせながら、そのメールから3分後くらいに爆速で落札したのがこの本になります。長らく狙っていたので嬉しい……というかなんで2000円だったのかは謎で、怖い(呪われている……?)。

 散文みたいな感じだったり引用だったりの本です。なんとも内容自体を説明し難い本ですが、とても良い。絶版なのが大変残念です。


ある人たちは年齢を重ねることを知らない。ある者は歳をとらない。時が止まるのだ。時はある者たちのために止まるだろう。とりわけ彼らにとっては。永遠の時。全く歳をとらない。時はある者たちにとっては凝固する。自らを再生産し、増殖することによって魂から分離された囚われの像とは違って、彼らの像、彼らの記憶は腐食しない。彼らの相貌が喚起するのは、後光を帯びた美しさでも四季折々の自然の盛衰の美しさでもない。喚起するのは不可避的なものではなく、死ではなく、死に-つつあるということ、なのだ。
/「クリオ 歴史」

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