1940年の日満連絡船航路案内を買った話

日本の古本屋曰く1940年のもの。
太平洋戦争のだいたい1年前のものということになる。
表紙は「満州国」カラーだけどヒッピーっぽくて笑ってしまう。
安過ぎず高すぎずの単行本1冊分くらいの価格。全12p。

「日満連絡船と大連駅発「あじあ」号列車との接続の為埠頭、大連駅相互間に無料バスが運転されています」と書かれていた。
日本の大陸進出の先鋒を担った海運会社としての大阪商船がある。

鴨緑丸の名前も。就航3年目ほどか。この頃にはだんだんと僚船が徴用されつつあったはずである。

大阪商船といえば南米航路が有名だ。でもあれは鉄道への連絡船ではない。
大連航路は鉄道との連絡が強く意識されているのだとわかった。
鉄道省や南満州鉄道との協定も結ばれていたようだ。
描きかけの『春のまひる』に活かしたい知識。
買うのに躊躇したのは事実だが、ほんとうに買ってよかった。勉強になった。
「案内」なので、その航路について知らない人間に対して説明したものなのである。
今後も集めたい…本よりギャンブルだけど…。
#「春のまひる」(擬人化)

日本の古本屋曰く1940年のもの。
太平洋戦争のだいたい1年前のものということになる。
表紙は「満州国」カラーだけどヒッピーっぽくて笑ってしまう。
安過ぎず高すぎずの単行本1冊分くらいの価格。全12p。

「日満連絡船と大連駅発「あじあ」号列車との接続の為埠頭、大連駅相互間に無料バスが運転されています」と書かれていた。
日本の大陸進出の先鋒を担った海運会社としての大阪商船がある。

鴨緑丸の名前も。就航3年目ほどか。この頃にはだんだんと僚船が徴用されつつあったはずである。

大阪商船といえば南米航路が有名だ。でもあれは鉄道への連絡船ではない。
大連航路は鉄道との連絡が強く意識されているのだとわかった。
鉄道省や南満州鉄道との協定も結ばれていたようだ。
描きかけの『春のまひる』に活かしたい知識。
買うのに躊躇したのは事実だが、ほんとうに買ってよかった。勉強になった。
「案内」なので、その航路について知らない人間に対して説明したものなのである。
今後も集めたい…本よりギャンブルだけど…。
#「春のまひる」(擬人化)
「春のまひる」という連作漫画を描いている。船舶の擬人化の漫画で、貨客船鴨緑丸をめぐる話だ。
サイトに単独ページを拵えてある のだが、この際、そのページにも鴨緑丸の船歴を掲載してみた。内容をいかに記す。
とりあえずこれを記載して、やはりこの文章は要らないんじゃないかという改めての想いがある。せめて、なにか別の文章のほうがいいのではないか。
あるいは私はこの文章を載せて何を達成したいのだろう、とも改めて悩んでしまった。この船歴とそれへの想いは着物の裏地みたいにひそめておくべきなんじゃないか。なにより私が徴用船を描くことの中に潜んでいる、死体蹴りというべきか、ネクロフィリア的な欲望が滲んでいるのではあるまいか……。
あえて鴨緑丸の明るい話がしたい。それが主題となっている漫画なのだ。あえて明るい声で鴨緑丸の名誉の話がしたい。名誉もちゃんとあったという話をしてあげたい。現状掲載してあるけれど、早めに撤去するかもしれない。それともしないかもしれない。この船歴もたしかに鴨緑丸の航跡なのだから、それを取り除くことだってできない。なにより私自身それをしたくない。鴨緑丸を否定していることになる。その事象を何かのケガレみたいに扱うことになる。
すべての船歴に触れていくこと。それを求めていきたい。ただ触れ方というものがある。フィクションはいろいろな部分を切り取ったり引き延ばしたりできるのだから。
(追記※今現在での話になりますが、文章は前半のみになりました)
#「春のまひる」(擬人化)