歴史もの/歴史創作,おふね 「そうですか……さんとす丸が……」(「この時期、夜になると「○○丸が撃沈された」との電話が来る。そのつど「また可愛い娘が死んだ」と涙を流していた。美代が「娘は私だけでしょう」と訊いたところ、「あの船はお父さんが設計したのだから娘のようなものだ」と言った。これで美代は船が女性であることを知ったという」野間恒「和辻春樹の人と船」和辻春樹『随筆 船』解説)