永遠の哲学3:「ぼくの小さな神さま」

 二人が甘美でふしだらな痙攣(くろしおに言わせれば「毎夜楽しく絵本を読んでいた思い出への冒涜」)を当たり前のように交わすようになるまでには、ちょっとした気まずさに似た沈黙と、奇妙なフラストレーションがあった。
 くろしおの気まずさの由来は、おしめを替えてやるような関係性の少年に手を出されたことへの戸惑いと屈辱、なによりその関係性を拒否できなかったことの自身への戸惑いと屈辱である。おやしお青年の沈黙の意味は、自身のある種の挑戦と挑発があっさり成功したことへの困惑だったに違いない。くろしおとおやしおの関係は、恋人より親子のそれに近かった。その壁があっさり壊れたことにお互いが拍子抜けした気まずさを感じていたのだった。

[※後略]

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